「市民提案型まちづくりチャレンジ事業」に採択されました

当会の活動が、千葉県南房総市の平成29年度「市民提案型まちづくりチャレンジ事業」に採択されました。

審査員や市民ら約60人が集まったホールの壇上で事業の説明をしました。

房日新聞記事: http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=11547&TXSID=sinps5rf3br3kklsoebr90btd4

「市民提案型まちづくりチャレンジ事業」とは、市民活動団体が自主的・自発的に行うまちづくり事業に対して、市が事業費の全部または一部を補助する制度です。

補助をいただけることは、当会がより安定して活動を続ける大きな助けになります。

職人仕事を覚えるには、ある程度の期間がかかります。その間に必要な場所や道具や材料を用意するなど、コストがかかるからです。

このように地域に支えられる当会の活動によって障がい者が地域の伝統的工芸品を支えることができれば、地域活性を通して恩返することができると考えています。

房州うちわ職人の仕事場所

「房州うちわ」作りの主要な工程のひとつに「割竹(さきだけ)」があります。

この工程は割き台とカッターがあればどこでもできるため、仕事は職人宅で行うことができます。

材料となる竹はうちわ屋(親方)さんが運んで来て、割きが完了したものを回収します。

この工程は、通勤のための移動が不意自由な方や、決まった時間に規則正しく安定して働くことが難しい方にも担っていただけます。

伝統的工芸品の材料問題

「伝統的工芸品」の条件として以下のものがあります。


伝統的に使用されてきた天然の原材料が用いられていること。


全国の半数以上の伝統的工芸品産地で、原材料の調達に問題があると回答しています。時代と共に伝統的な材料を入手することが難しくなる傾向にあるのです。

「房州うちわ」の主な材料は女竹という種類の細い竹で、これは千葉県南部には今でも多く自生しています。

 

ところが、これを切り出してうちわの材料として適当な長さにしてくれる人が減り、残っている人も高齢化してしまっています。

昔は竹は色々な目的で使用され需要が多く、竹屋さんが多くいたのですが、需要が減るにつれて竹屋さんもなくなり、うちわ屋さんが容易に竹を入手しにくくなってきています。

そこで、昨冬に障がい者の皆さんが竹を切りに行きました。

 

さらにそれをうちわ作りに合わせて切りそろえてうちわ作りの材料にしました。

 

これをうちわ屋さんに買っていただくことで、材料の供給が行えると共に障がい者の皆さんの収入につなげていくことができるようになるのです。

仕事の分業

「房州うちわ」の製作は21の工程に分かれています。

全ての工程を一人で行うことができる職人もいらっしゃいますが、21工程をすべて行えるようになるのは簡単ではありません。

「房州うちわ」は昔から分業制がとられてきました。どの工程でもというわけにはいきませんが、「割竹」「編竹」「貼り」などの主要な工程ならどれかひとつ習得すれば職人として仕事をすることができます。

特定の工程に特化して、より上手により早く作れるようになることが、職人としての技を高めることになるのです。

職人仕事を覚える

房州うちわ作りの主要工程をこなせる職人になるためには多くの練習が必要です。そのため、一朝一夕で職人になることはできません。

障害特性のために仕事を覚えるのにより時間がかかる方もいらっしゃると思いますが、うちわ作りを覚えればそれを一生の仕事とすることができます。

伝統的工芸品は伝統的な手仕事を受け継いでいくことこそが価値で、基本的には作り方を変えることがないからです。

手先を使った細かな仕事が得意で根気強く熱心に練習を続けることができる人であれば当会では粘り強く教えていくつもりです。

 

伝統的工芸品の後継者不足と障がい者

伝統的工芸品の多くは後継者不足により衰退が進んでいます。

「房州うちわ」産業も、職人の高齢化と後継者不足により伝統的工芸品としての存続が危ぶまれています。

「房州うちわ」作りは地元の漁師のおかみさんの手内職として発展したという経緯があり、仕事の単価としてもあまり高いものではありません。

明治40年

そのため、職人仕事だけで食べていくというのは正直難しいかもしれません。

しかし、障がい者はその障害の種類や程度によって障がい者年金をもらうことができます。

障がい者年金と職人としての収入を合わせて自立することができれば、障がい者が職人として働くことと、伝統的工芸品を守ることが両立できます。

これを実現することが「伝福連携」のひとつの形ではないかと思います。